「コア抜きの単価表がほしい」。設計や積算の担当者様から、この形でご相談をいただくことがあります。工事費を組み立てるうえで、まず基準になる数字が欲しいというのは当然のご要望です。
ただ、実務では単価表だけでは金額が決まりません。同じ径・同じ深さでも、現場の条件で必要な作業が変わるためです。そして、その条件こそが見積書の各項目に表れています。
この記事では、コア抜き工事の見積書にどんな項目が並び、それぞれ何で変わるのかを整理します。金額そのものではなく金額を動かす変数を押さえることが、結果として精度の高い積算につながります。
具体的な金額は記載していません。現場条件によって幅が大きく、数字だけが独り歩きすると、かえって積算を誤らせるためです。費用の考え方の全体像は非破壊検査の見積もり完全ガイド、大阪でのコア抜き工事の相場観は大阪でコア抜き工事の費用相場は?をご覧ください。実際の金額は現地の条件を確認したうえでお見積りいたします。
コア抜きの見積書に並ぶ項目
会社によって呼び方や区切り方は違いますが、内容としてはおおむね次の要素に分かれます。
| 項目 | 何で金額が変わるか |
|---|---|
| 事前調査(X線探査・鉄筋探査) | 調査点数、探査の手法、部材の厚み。 穿孔とは別工程のため、独立した項目になるのが一般的です。 |
| 穿孔(コア抜き) | コアの径、穿孔する深さ、部材の種類、か所数。 ここが「単価表」で語られる部分です。 |
| 段取り・仮設 | 足場や高所作業車の要否、給排水の確保、電源、養生の範囲。 |
| ガラ・排水の処理 | 切りくずと水の処理をどちらが行うか。 湿式か乾式かでも変わります。 |
| 出張・運搬 | 現場までの距離、駐車の可否、機材の搬入経路。 |
| 時間帯の割増 | 夜間・休日の作業、稼働中の建物での時間制約。 |
| 記録・書面 | 調査結果の記録が必要かどうか。提出先の様式指定の有無。 |
単価表だけでは金額が決まらない理由
同じ径でも、条件で必要な作業が変わる
たとえば同じ「φ100を1か所」でも、次のような差があります。
- 手の届く高さの内壁か、足場や高所作業車が要る高所か
- 無筋に近い部材か、鉄筋が密で位置決めに時間がかかる部材か
- 水を使える環境か、水が使えず乾式でしか施工できないか
- 日中に作業できるか、稼働を止められず夜間になるか
- 1か所だけか、同じ現場で何か所も続けて施工できるか
単価表はこのうち「径」と「深さ」しか表現できません。残りの条件は現場ごとに違うため、単価に何を含めるかが会社ごとに変わります。
「1か所いくら」に含まれる範囲が会社で違う
見積書を比較していて金額に差があるとき、その多くは単価そのものではなく含まれている範囲の違いです。
- 事前の探査が単価に含まれているか、別項目か
- ガラと排水の処理が含まれているか、施主側の負担か
- 養生と清掃がどこまで入っているか
- 貫通後の処理(防水・区画処理・仕上げの復旧)が入っているか
合計金額だけを並べると、範囲の広い見積のほうが高く見えます。比較するときは、同じ範囲に揃えてから見る必要があります。
条件が固まっていない段階でも、概算のご相談を承ります。
現地調査を含めたお見積りは無料です。 料金表を見る
積算のときに押さえる5つの変数
概算を組み立てるとき、この5つが決まっていれば精度が上がります。逆にこの5つが未定だと、どんな単価表を使っても数字は動きます。
- コアの径。配管の外径ではなく、保温材と施工の余裕を含んだスリーブ径で考えます。径が大きいほど、鉄筋を避けられる余地が減ることにも注意が必要です。
- 穿孔する深さ(部材の厚み)。貫通させるのか、途中で止めるのかも含みます。厚みが分からない場合は、図面がなくても現地で確認できます。
- 部材の種類。外壁・内壁・床スラブ・合成スラブ(デッキプレート)で条件が変わります。梁や柱は原則として避ける部位です。
- か所数と、その散らばり方。同じ建物でも、施工箇所が1か所にまとまっているか、階や区画に散らばっているかで作業時間が変わります。同じか所数でも、少ない回数で終えるのか、日を分けて何度も出向くのかで段取りの回数が変わります。
- 現場条件。高さ、電源、給排水、作業できる時間帯、搬入経路。この項目が金額に最も大きく効くことがあります。
積算の段階でご相談いただくと、「この位置なら足場が要らない」「この時間帯なら割増が付かない」といった調整がまだ効きます。工事直前になると条件は動かせません。設計・積算の段階でのご相談も承っています。
見積書を比較するときに見る3点
複数社から見積を取った場合、金額の高低より先に確認したいのが次の3点です。
| 確認する点 | 見方 |
|---|---|
| 調査の扱い | 事前の探査が含まれているか。 含まれていない場合、後から別途費用が発生します。 |
| ガラ・排水と養生 | 処理をどちらが行うか。 施主側の負担になっていると、自社の手間として計上が必要です。 |
| 前提条件の記載 | どんな現場条件を前提にした金額か。 前提が違えば、同じ工事でも金額は変わります。 |
業者を選ぶときの視点そのものについては大阪のコア抜き・非破壊検査業者の選び方で詳しく扱っています。
概算を早く出すために、伝えていただきたいこと
次の情報があれば、現地調査の前に概算の目安をお伝えできる場合があります。すべて揃っていなくても構いません。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 現場の所在地 | 大阪市内/京都市内/兵庫県内など。搬入や駐車の条件があればあわせて |
| 部材と厚み | 外壁RC 200mm/床スラブ 250mm/厚み不明(現地確認希望) |
| 径とか所数 | φ100を2か所/φ200を1か所/φ125・φ100・φ75で計30か所 |
| 用途 | 冷媒配管/追い炊き配管/スパイラルダクト/電気配線/設備の増設 |
| 建物の状況 | 稼働中の工場/居住中のマンション/営業中の店舗/解体前で空き |
| 時期 | 今月中/設計段階のため未定/着工予定は来期 |
| 必要な書面 | 設計見積の根拠として/管理組合への提出用/不要 |
お問い合わせ前の確認事項は問い合わせ前に確認すべき5つのチェックリストに、コア抜き工事そのものの流れはコア抜き(コア穿孔)とは?にまとめています。
設計・積算の段階からのご相談も承ります
工事が動き出す前、設計見積のために概算が必要という段階でのご相談をいただくことがあります。この段階であれば、貫通位置そのものを含めて検討できるため、結果的に工事費を抑えられることがあります。
HOLTECHは、X線探査・鉄筋探査による事前調査からコア抜き、あと施工アンカーの打設・引張試験までを自社で行っています。調査と施工を分けて発注する必要がないため、見積の範囲が分かれて比較しづらくなるということもありません。
よくあるご質問
径や深さだけで金額が決まらないため、単価表という形ではお出ししていません。現場の条件をお聞かせいただければ、その条件での概算をお伝えできます。費用の考え方は料金表に掲載しています。
出せる場合があります。想定している径・か所数・部材の種類・建物の状況をお知らせください。条件が固まっていない場合は、幅を持たせた形でお伝えし、確定後に改めてお見積りする進め方も可能です。
まず、事前の探査が含まれているかを確認してください。次に、ガラと排水の処理、養生、貫通後の処理の扱いです。この範囲が揃っていないと、合計金額の比較は意味を持ちません。
施工箇所が1か所にまとまっていて、少ない回数で終えられる場合は、段取りの効率が上がるため、1か所あたりで見た負担は軽くなる傾向があります。同じか所数でも、建物内で散らばっている場合や、日を分けて何度も出向く場合は、そのたびに機材の搬入と設置が必要になるため、その効果は出にくくなります。
現地調査で確認します。図面が残っていない改修工事では珍しいことではありません。現地調査を含めたお見積りは無料ですので、分からない項目があってもご相談ください。
できます。調査結果を見てから穿孔を判断する進め方も承っています。詳しくはレントゲン探査だけを依頼するには?をご覧ください。
大阪・近畿一円で、積算段階からご相談いただけます
HOLTECHは大阪を拠点に、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県で非破壊検査と穿孔工事を行っています。設計見積のための概算から、確定後の正式なお見積りまで対応します。
料金の考え方は料金表に、実際の現場は施工事例に掲載しています。現地調査を含めたお見積りは無料です。
まとめ
- コア抜きの金額は径と深さだけでは決まらない。現場条件が大きく効く
- 見積書は合計ではなく、事前調査・ガラと排水の処理・養生・貫通後の処理がどこまで含まれるかを見る
- 積算で押さえるのは、径・深さ・部材の種類・か所数・現場条件の5つ
- 設計・積算の段階で相談すれば、条件そのものを見直せる余地がある
- 厚みや図面が分からなくても、現地調査で確認できる
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