耐震診断における”非破壊検査”の活用事例

非破壊検査

日本は地震が多い国。だからこそ、私たちが毎日使う建物、特に少し年数が経った建物の地震への備えは、とても気になりますよね。「この建物、地震が来ても大丈夫かな?」と不安に思うこともあるかもしれません。

その建物の”本当の強さ”、つまり耐震性能を評価するのが「耐震診断」です。でも、建物の強さは、壁の中にある鉄筋の量やコンクリートの状態など、外から見ただけでは分からない部分に大きく影響されます。

そこで頼りになるのが、私たちHOLTECHが得意とするエックス線探査やレーダー探査といった”非破壊検査”です。これは、いわば建物の”レントゲン検査”や”エコー検査”のようなもの。建物をむやみに壊さずに、内部の構造や状態を詳しく調べ、客観的なデータに基づいて、建物の真の耐震性能を評価するお手伝いをします。

この記事では、耐震診断で非破壊検査がどのように役立っているのか、具体的な事例を交えてご紹介します。

耐震診断のゴールは、もし大きな地震が来たときに建物が耐えられるかを知り、必要なら「ここを強くしよう」という補強プランを立てることです。その診断がどれだけ信頼できるかは、「今の建物の状態を、どれだけ正確に知ることができるか」にかかっています。

非破壊検査は、その「正確に知る」ために、こんな大切な情報を提供してくれます。

鉄筋の状況をチェック(量、位置、太さ、コンクリートの厚み)

鉄筋は建物の”骨”のようなもの。その量や位置、太さが分からないと、どれだけ地震に耐えられるか計算できません。HOLTECHのエックス線探査やレーダー探査を使えば、柱や梁、壁の中にある鉄筋の詳細(太さ、本数、間隔、表面からの深さ=かぶり厚さ)が分かります。古い図面と見比べたり、図面がなくても実際の状態を知ることができます。

コンクリートの強さを推定

専用の機器(シュミットハンマーなど)を使って、コンクリートのだいたいの強さを調べます。もっと詳しく調べる必要がある場合は、非破壊検査で鉄筋を避けて安全な場所を選び、小さなコンクリート片(コア)を採取(コア穿孔)して、直接その強さをテストすることもあります。HOLTECHはこのコア穿孔も得意です。

柱や梁のサイズ確認

設計図に書かれたサイズと、実際の柱や梁の大きさが合っているかを確認します。

内部の”弱点”を見つける

コンクリートの中に、目に見えないひび割れや隙間、鉄筋のサビなどがないかをチェック。これらは建物の強度を弱める原因になります。

つまり、建物の『本当の体力』を知るための、大切な手がかりをくれるのが非破壊検査なんです。これらの客観的な情報があるからこそ、信頼できる耐震計算ができ、建物の弱点をピンポイントで見つけ出すことができます。

事例1:少し古い事務所ビルの耐震チェック

築45年の事務所ビル。「今の耐震基準だとどうなんだろう?」ということで耐震診断をすることに。図面はあったものの、本当に図面通りか、コンクリートは弱っていないか、心配な点がありました。

【HOLTECHの対応】

大切な柱や梁について、まずレーダー探査で鉄筋の様子をチェック。すると、一部で図面より鉄筋が少なかったり、コンクリートの厚みが足りなかったりすることが分かりました。コンクリートの強さも専用機器で測り、特に気になる箇所はコア穿孔でサンプルを取ってテスト。

結果

調査の結果、特に下の階の柱が、今の基準だと少し弱いことがはっきりしました。この正確な情報があったから、「じゃあ、ここをこうやって補強しよう」と具体的な計画(例:鉄骨で補強する、柱にシートを巻くなど)が立てられました。補強のために必要なアンカーを打ち込んだり、そのアンカーがしっかり効いているか引張試験で確かめたりする際も、HOLTECHの技術が役立ちます。

事例2:増改築を重ねた学校の体育館

何度も増改築されて、構造がちょっと複雑になっていた体育館。古い部分と新しい部分のつなぎ目や、全体の耐震性が心配されていました。

【HOLTECHの対応】

つなぎ目など、特に複雑な部分はエックス線探査で中の鉄骨や鉄筋の様子を詳しく見ました。広い壁や床はレーダー探査で効率よくチェック。超音波で内部に隙間などがないかも調べました。

結果

調査で、増築部分とのつなぎ目の詳細な構造や、予想外の場所で鉄筋が足りないことなどが分かりました。非破壊検査で「今の本当の姿」が分かったおかげで、複雑な建物でも正確に耐震性能を評価でき、どこを補強すれば効果的か(例:壁を足す、基礎を強くするなど)をピンポイントで特定できました。もちろん、補強工事の際にも、調査結果を活かした安全なコア穿孔やアンカー打設、そして引張試験での確認が大切になります。

耐震診断は、大切な建物の健康診断のようなもの。そして非破壊検査は、その診断に欠かせない、いわば”お医者さんの聴診器やレントゲン”です。HOLTECHのエックス線探査やレーダー探査は、普段は見えない建物の内部をしっかりと”診察”し、その建物が本当に持っている強さ(耐震性能)を正しく知るための、信頼できる情報をお届けします。

建物の状態を正確に知ることが、適切な地震対策の第一歩であり、未来の安全・安心につながります。

HOLTECHは、エックス線・レーダー探査による詳しい調査から、コンクリート強度確認のためのコア穿孔、さらには耐震補強工事でのアンカー打設引張試験による品質チェックまで、建物の耐震性に関わる様々な場面で皆様をサポートする専門家チームです。

「うちの建物、地震は大丈夫かな?」「耐震診断や補強、どう進めればいいんだろう?」そんな疑問や不安をお持ちでしたら、どうぞお気軽にHOLTECHにご相談ください。

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