
「コア抜き(コア穿孔)とは何か」という基礎知識を理解した施工管理者や設備業者の皆様にとって、次のステップは「いかに現場を滞りなく、安全に進めるか」という具体的な実施計画です。
コア抜き工事は、単に壁や床に穴を開ける作業ではありません。事前の準備が不足していると、埋設物の損壊事故や工期の遅延、余計な追加費用の発生を招くリスクがあります。
本記事では、プロの視点から、発注前に必ず現場で確認しておくべき5つの重要チェックポイントを詳しく解説します。
はじめに:コア抜き工事の成否は「事前の準備」で決まる
コア抜き工事の成功の8割は、現場に入る前の「準備」と「確認」で決まります。
現場において「穴を開けるだけ」と考えて安易に作業を開始すると、鉄筋の切断による構造強度の低下や、電気配線・配管の損壊といった重大なトラブルに直結します。特に改修工事においては、壁や床の内部状況を正確に把握することが最大の難所です。
事前の現場確認を徹底し、適切な工法と設備を選択することで、不慮の事故を防ぐだけでなく、結果として工期短縮とコスト削減につながります。
チェック1:湿式か乾式か?現場環境に合わせた工法選択
コア抜き工事には、大きく分けて「湿式工法」と「乾式工法」の2種類があります。どちらを選択するかは、現場の環境や穴を開ける対象物によって決まります。
湿式工法(ダイヤモンドコア穿孔)
ダイヤモンド粒子がついたビットを使用し、先端に水を供給しながら穿孔する工法です。
• メリット: 水でビットを冷却し、摩擦抵抗を減らすため、硬いコンクリートや太い鉄筋もスピーディーに切断できます。また、粉塵が舞い上がらないため、現場の空気を汚しません。
• デメリット: 穿孔中に「ノロ」と呼ばれる汚水(スラリー)が発生するため、周囲の養生と汚水の回収・処理が必要です。
乾式工法
水を使用せずに穿孔する工法です。
• メリット: 水を使えない環境(稼働中の電気室内や、水漏れが許されないOAフロアなど)に適しています。汚水の処理が不要なため、後片付けが比較的容易です。
• デメリット: 湿式に比べてビットの摩耗が早く、厚いコンクリートや密集した鉄筋の穿孔には時間がかかる場合があります。また、強力な集塵機を併用しても、微細な粉塵が発生しやすいため注意が必要です。
基本的には精度とスピードに優れる「湿式」が推奨されますが、水の使用が制限される現場では「乾式」を選択します。発注時にどちらの工法が最適かを専門業者と協議することが重要です。
チェック2:電源・養生・給排水の確保
作業当日に「電気が足りない」「水が引けない」といった理由で作業が止まるケースは少なくありません。以下のインフラ設備を事前に確認してください。
電源の確保
コア抜き機は、一般的に単相100Vまたは200Vの電源を使用します。現場の仮設電源から十分な容量が確保できるか、作業場所まで延長コードが届く範囲にコンセントがあるかを確認しましょう。
給排水の確保(湿式の場合)
湿式工法を行う場合、一定量の水が必要です。
• 給水: 水道蛇口からホースで供給できるか、あるいは近くに水場があるか。
• 排水・汚水処理: 穿孔時に発生するノロを回収するためのバキューム装置の配置と、回収した汚水の処分方法を検討しておく必要があります。
養生の徹底
特に室内や改修現場では、水漏れや汚れを防ぐための「養生」が極めて重要です。
• 穿孔箇所の真下・裏側: 貫通時に水やコンクリートの破片が落ちるため、階下や壁の裏側の養生も忘れてはなりません。
• 周囲の精密機器: 病院やサーバー室など、粉塵を嫌う環境では、徹底した密閉養生が求められます。
チェック3:【最重要】鉄筋探査・レントゲン探査の実施
コア抜き工事において最も重要なステップは、「コンクリート内部に何があるか」を事前に確認することです。
埋設物切断のリスク
図面上で配管がないとされていても、実際の現場では異なる場所に埋設されているケースが多々あります。誤って鉄筋や電線管を切断してしまうと、建物の強度が低下したり、建物全体の停電を引き起こしたりするリスクがあります。
適切な調査方法の選択
非破壊検査には主に「エックス線(レントゲン)探査」と「電磁波レーダー探査」があります。
• エックス線(レントゲン)探査: 写真を撮るように内部を可視化できるため、精度が非常に高く、鉄筋、電線管、CD管などの判別が容易です。ただし、壁や床の両側にアクセスできる必要があり、立ち入り禁止区域の設定が必要です。
• 電磁波レーダー法: 機器を表面に滑らせて測定します。片側からのみの調査が可能で、機動性に優れます。
確実な安全を期すなら、まずはレントゲン探査を検討すべきです。特にエックス線作業主任者(国家資格)が在籍する業者であれば、立ち入り禁止区域の設定から安全管理までを一任できます。
チェック4:高所作業や天井向き穿孔など、特殊な施工条件の確認
穿孔箇所の「位置」と「状態」によって、必要な資材や工賃が変わります。
作業の高さと足場
床から1.5m以上の高さでの作業になる場合、脚立や足場の設置が必要です。特に天井面への穿孔は、通常の穿孔よりも高い技術力と専用の固定機材が必要となります。
対象物の材質
コンクリート以外にも、タイル、ALC、アスロック(押出成形セメント板)などの特殊な材質が含まれる場合、専用のビットを選択しなければ欠けや割れの原因になります。
深さと角度
穴の深さが300mmを超えるような厚壁や、勾配(水勾配など)をつけた斜め穿孔が必要な場合は、事前に正確な指示を出す必要があります。
チェック5:施工後の事後処理と清掃
工事が終わった後の「清掃」までがコア抜き工事の一環です。
作業完了後、コアガラ(抜き取った円柱状のコンクリート塊)の処理を誰が行うのか、現場をどの程度まで清掃するのかを業者と取り決めておきましょう。全スタッフが施工前の養生から施工後の徹底した清掃までを心掛けている業者を選ぶことで、後工程(設備配管の取り付けなど)にスムーズにバトンタッチできます。
まとめ:HOLTECHなら探査から穿孔まで一貫対応が可能
これら5つのチェックポイントをすべて自社で管理し、複数の業者(調査会社、穿孔会社、アンカー会社など)を手配するのは、現場監督にとって大きな負担です。
株式会社HOLTECH(ホルテック)では、非破壊検査(レントゲン探査・レーダー探査)からダイヤモンドコア穿孔、さらにはアンカー打設や引張試験まで、すべて自社で一貫して施工を行う「責任施工」を強みとしています。
- 工期短縮: 業者間のスケジュール調整が不要になり、調査から施工までをスムーズに連動させることができます。
- コスト削減: 複数の業者に分けるよりも、一括発注することで諸経費や手間を抑えることが可能です。
- 責任の明確化: 「調査で言われた場所を抜いたのに配管を切った」といった業者間のトラブルが起こりません。自社で調査し、自社で抜くからこそ、万全の責任を持って作業にあたります。
近畿一円(大阪、兵庫、京都など)を中心に、夜間作業や緊急対応、さらには日本全国の出張工事にも柔軟に対応しております。 現場での打ち合わせも、全ての工程を理解している有資格者がお伺いします。
コア抜き工事に関するご相談や、現場確認のご依頼は、ぜひお気軽にHOLTECHまでお問い合わせください。


