コア抜き・アンカー工事の事故事例とレントゲン探査の重要性

アンカー工事

建設現場で当たり前のように行われるコア抜きやアンカー工事。

「壁に穴を開けるだけ」と軽く考えがちですが、コンクリートの内部は見えないため、実は大きな事故につながる危険が潜んでいます。壁や床の中には、建物の骨格である鉄筋や、水道管、ガス管、電気ケーブルなど、私たちの生活に欠かせないものが隠れているからです。これらをうっかり傷つけてしまうと、建物の安全性が脅かされたり、ライフラインが停止したりと、大変な事態になりかねません。

この記事では、実際に起きた事故事例をもとに、その恐ろしさと、事故を防ぐための「レントゲン探査」がいかに大切か、そして私たち株式会社HOLTECHが安全な工事をどのようにお手伝いできるのかを、分かりやすくお伝えします。

まず、コア抜き工事とアンカー工事がどんな作業で、どんな危険が潜んでいるのかを見ていきましょう。

コア抜き工事って何?

コア抜き工事とは、専用のコアドリルという機械を使い、コンクリートの壁や床に円筒形の穴を開ける作業です。エアコンの配管や電気配線を通すなど、新しい設備のために「通り道」を作る工事です。

アンカー工事って何?

アンカー工事は、コンクリートにボルトなどを埋め込み、機器や設備などを固定するための工事です。例えば、看板の設置や耐震補強金具の取り付けに使われます。代表的なのは「あと施工アンカー」で、固まったコンクリートにドリルで穴を開けてアンカーを設置します。金属の力で固定するタイプや、接着剤で固めるタイプなどがあります。

見えないからこそ怖い!コンクリートの中の埋設物

コンクリートの中は、鉄筋、ガス管、水道管、電気ケーブルなど、建物を支え、私たちの生活に不可欠なものが詰まっています。これらは外から見えず、図面があっても実際と違っていたり、古い建物では図面がなかったりすることも。そんな状況で不用意に穴を開けると、これらを傷つけ大事故につながる可能性があります。

「見えない危険」を軽視すると、どんなことが起こるのでしょうか。実際の事故事例を見てみましょう。

事例1:鉄筋を切っちゃった!建物の骨格がグラグラに…

建物の「骨」である鉄筋を誤って切断すると、建物の強度が著しく低下します。最悪の場合、地震などで建物が倒壊する危険性も。実際に、鉄筋切断が原因でマンションが建て替えになったという衝撃的なケースも報告されています。補修費用も莫大で、社会的信用も失いかねません。

事例2:配管を破損!水漏れ・ガス漏れの恐怖

水道管やガス管を傷つけると、水漏れやガス漏れが発生します。水漏れは階下の部屋を水浸しにしたり、カビの原因になったり。ガス漏れは火災や爆発、中毒など、命に関わる極めて重大な二次災害に繋がる恐れがあります。新潟県では、埋設管の確認不足で給水管を破損した事例が報告されています。

事例3:電気ケーブルを切断!停電、そして感電の危険も

電気ケーブルを切断すれば、もちろん停電します。オフィス業務の麻痺や工場ラインの停止など、社会経済活動や日常生活に甚大な支障をきたします。もし電気が通っている線(活線)を切断すれば、作業員自身が感電し、死傷する極めて危険な事故に直結します。新潟県では、コア抜き作業中に壁内の電線管を切断し、室内のコンセントが使用できなくなった事例があります。

事例4:アンカーが抜けた!まさかの落下・倒壊事故

アンカーの施工が不適切だと、取り付けたものが落下したり、場合によっては構造物自体が倒壊したりする恐れがあります。1994年には、鹿児島県の橋梁架設現場で、仮設設備を固定していたアンカーが抜け、作業員の方が転落して死傷するという大惨事がありました。原因は、アンカーの打ち込み不足や施工管理の甘さでした。

※事例参照記事
https://www.city.niigata.lg.jp/business/doboku/koji/koji_tuuchi.files/R4jirei.pdf
https://www.shippai.org/fkd/cf/CD0000060.html

これだけ危険性が指摘されていても、残念ながら事故は後を絶ちません。その背景には、いくつかの共通した問題点があるようです。

「大丈夫だろう」が命取り!事前調査の不足

事故の最大の原因は、やはりコンクリート内部の事前調査が不十分なことです。「今まで大丈夫だったから」「図面に書いてないから」といった思い込みや、工期・コスト削減のプレッシャーから、最も重要な安全確認がおろそかになってしまうのです。

経験頼みの危うさ、不適切な施工

作業員の経験不足や知識不足から、間違った工具を選んだり、不適切な方法で作業を進めたりすることも事故の原因になります。特にアンカー工事では、母材コンクリートの状態や取り付け物の荷重条件に適したアンカーを選定し、メーカーが指定する正しい手順を守ることが極めて重要です。

「自分は大丈夫」という過信、安全管理の甘さ

「これくらいなら大丈夫だろう」という過信や、日々の作業の慣れからくる油断も、事故の引き金になります。現場の安全管理体制が整っていなかったり、危険予知活動が形骸化していたりすると、事故のリスクは格段に高まります。

では、どうすればこれらの事故を防げるのでしょうか?そこで登場するのが「レントゲン(エックス線)探査」です。

レントゲンってどうやって見るの?

レントゲン探査は、病院で使われるレントゲン撮影と同じ原理です。エックス線をコンクリートに当てると、中の鉄筋や配管、電線管などが影絵のように写し出されます。専門の技術者がその画像を読み解き、埋設物の種類や位置、深さなどを特定。そして、安全に穴を開けられる場所をコンクリート表面にマーキングするのです。これで、「見えない危険」が「見える安心」に変わります。

レントゲンで見えるもの、わかること

レントゲン探査では、鉄筋の位置や太さ、間隔、水道管やガス管、塩ビ管などの配管の種類や位置、電気を通す電線管の位置などが、かなり正確に分かります。特に電線管の探査は、レントゲン以外に確実な方法がないとまで言われています。

レントゲン探査のココがすごい!

レントゲン探査の最大のメリットは、なんといってもその高精度さ。他の方法では分かりにくい、複雑に鉄筋が入り組んだ場所や、細い配管、電線管なども鮮明に捉えることができます。また、撮影後すぐに結果が分かる即時性も魅力です。コンクリートの厚みが30cm程度までなら、深くまでしっかり探査できるのも強みです(ただし、状況により限界はあります)。

レントゲン探査で、こんな事故が防げます!

レントゲン探査をすれば、鉄筋の切断事故、配管の損傷による水漏れ・ガス漏れ、電気ケーブル切断による停電や感電事故を未然に防ぐことができます。アンカー工事でも、鉄筋を避けて適切な場所に施工できるので、アンカーの性能をしっかり発揮させることができます。結果として、手戻り工事や余計な費用、工期の遅れを防ぎ、建物の品質と安全を守ることにつながるのです。

私たち株式会社HOLTECHは、レントゲン探査をはじめとする非破壊検査と、確かな施工技術で、お客様の工事の「安心」と「安全」をサポートします。

HOLTECHの高精度レントゲン探査

長年の経験と最新機材、そして熟練の技術者による高精度なレントゲン探査が自慢です。お客様の状況に合わせて最適な撮影計画を立て、安全管理を徹底しながら、コンクリート内部の埋設物を正確に特定。その結果を分かりやすくマーキングし、安全な作業を後押しします。

探査から施工まで、ワンストップで頼れる!

HOLTECHなら、レントゲン探査やレーダー探査だけでなく、その結果に基づいたコア穿孔工事やアンカー打設工事、さらにはアンカーがしっかり固定されているかを確認する引張試験まで、一貫してお任せいただけます。探査と施工を同じ会社が行うことで、情報の伝達ミスを防ぎ、より安全でスムーズな工事が可能です。

「見えないからこそ徹底調査」がモットーです

どんな工事でも、事前調査は何よりも大切だと考えています。目に見えない部分だからこそ、科学的な根拠に基づいて正確に状況を把握し、お客様の安全と建物の品質を守るために全力を尽くします。これまでの豊富な実績と専門知識で、難しい現場にも対応します。

コア抜き・アンカー工事の事故事例と、それを防ぐレントゲン探査の重要性、ご理解いただけたでしょうか。鉄筋や配管、電気ケーブルの損傷は、作業員だけでなく、建物を使うすべての人にとって大きなリスクです。

「見えない壁の向こう側」を正確に知るレントゲン探査は、安全で質の高い工事を行い、安心して暮らせる社会インフラを維持するために、なくてはならない技術です。

株式会社HOLTECHは、確かな技術と経験で、皆様のプロジェクトの安全と安心を力強くサポートします。コンクリート内部のことでお困りの際は、ぜひ私たちにご相談ください。最適な調査・施工プランをご提案します。

コア抜き・アンカー工事に関するご相談、お見積りは、下記URLの問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。

https://holtech.jp/contact/

お問い合わせ

お見積もりやご相談などございまいしたら
お気軽にお問い合わせください。

メール・お電話でのお問い合わせはこちら

受付時間 : 土・日・祝日を除く 10:00〜18:00